☆サイト『ヤフーニュース』2019年3月4日の記事より
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190304-00000339-oric-ent
☝・・・『スピリッツ』に連載されていたマンガ『闇金ウジシマくん』が完結しましたね! わたしも興味深く読ませて頂きました。 今回は、この話を・・・。
(注意)ネタバレがあります。 『闇金ウシジマくん』最終話を楽しみにしているという方は、このブログを読まないでください・・・。
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☆『ヤフーニュース』より
それはさておき、「ウシジマくん完結」は世間から注目されているようで、ネット系ニュースのあちこちで話題となっていましたね。
なかでも、その終わり方についてツイッターでは批判があったということですが・・・どこに批判の要素があったというのかしら?
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ぽっと出の雑魚に、ウシジマくんがやられるワケねーだろ!
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といった感想なのかな。 ま、そういった気持ちはわからないでもないけれども、最終回にも出てきたワード・「因果応報」といったことを作者の真鍋さんは描きたかったんじゃないのかな。 目には見えないけれども、確かに人間社会に働いている「世の中の摂理」というやつを。
そして、作者の真鍋さんはその「世の中の摂理」を主人公のウシジマくんにも作用させたのでしょう、特別扱いせずに。 結果、彼はああいったことになってしまいましたが・・・その代償として物語のリアリティーが増したように思います。
ウシジマくんの生死について、劇中ではハッキリと判明してはおらず、そのあたりは読者それぞれに委ねられているといったところでしょうか。 ああいった終わり方も、一つの終わり方としてアリなんじゃないかと・・・。
ただ、クライマックスに向けては登場人物みんなが「キレイなジャイアン」のようになっていって・・・w・・・そこらへんは なんかツボで、印象的でした。
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☆『闇金ウシジマくん』より
☝・・・それにしても、『闇金ウシジマくん』というマンガは、はっきり言ってオススメできるものではありません。 その劇中には毒が満ち溢れ、読後感は悪いと感じるからだ。 でもそのストーリーは刺激的であり、やっぱり気になって連載を見てしまう・・・そんな中毒性のあるマンガでしたね(ほめ言葉)。
そんな『闇金ウシジマくん』にはコピー/広告がつけられている。 その名も「国民的ダークヒーローマンガ」だとか。
そういえばここ最近・・・といっても数年以来かな? 「ダークヒーロー」という単語を巷でよく見かけますね! ダークヒーローの由来・本家本元はどうやらアメコミのようですが・・・。
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【ここから歴史の話題】
「ダークヒーロー」・・・。 それは日本ではあまり普及していない、聞きなれない言葉とイメージだ。
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☆サイト『ピクシブ百科事典』より
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC
☝・・・あらためて、ダークヒーローの意味・定義を確認してみると、ダークヒーローとは、
主人公の分類の一つ。受け手の主観によるが、所謂「人格者としての主人公像」から逸脱した主人公のこと (要点を抜粋、引用)
・・・となっている。
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☆『Fate』シリーズより
☝・・・そして、その言葉はアメリカで生まれたものだから、その原イメージは「ビリー・ザ・キッド」や「アル・カポネ」といった、古き良き時代のアウトロー、マフィア系といった人物のイメージから生まれたものであり、アメリカの歴史と深くかかわっていると言えるだろう。
その点、我が国・日本ではどうかというと、アウトロー・マフィアといった線で考えれば、「石川五右衛門」、「清水次郎長」といった人物をまず思い出します。
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☆『CR 清水の次郎長』より
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☆『モンスト』より、石川五右衛門
☝・・・清水次郎長と石川五右衛門。
例に挙げてはみたものの、彼らが日本版ダークヒーローと言えるのか? と言われれば、彼らはどこか毛並みが違っていて、それはNOだと言うしか ほかにない。
なので、やはりここは、松永久秀や宇喜多直家といった、戦国の梟雄がダークヒーローとして妥当なところだろうね。
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☆『信長の野望』シリーズより
☝・・・讒言と毒殺の名手。 みなさんご存知、自爆自害の松永久秀さん。
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☆『信長の野望』シリーズより
☝・・・敵対者はおろか、身内もバッサリ殺ってます。 そりゃ弟さんも用心して鎖を着込むワケだわ・・・宇喜多直家さん。
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☆『信長の野望』シリーズより
☝・・・こんにちのイメージでは、ダークさはあまりありませんが・・・
ルール無視の武将代表。 ときには美少年の刺客も送ります・・・戦国のDQN筆頭、伊達政宗さん。
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☆『信長の野望』シリーズより
☝・・・おっと、そういえばこのお方を忘れていました。
ふるった暴力は数知れず。 また、娘をダシにした騙し討ちの悪名からか、地元・佐賀でも人気はまるで無し。 でも仕方ないんです、当時のここいら一帯は修羅の国でしたから・・・龍造寺隆信さん。
と、このように、戦国時代はそのハードな時代背景のためか、ダークヒーローの定義に該当する武将、戦国大名が数多く登場している。
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それにしても、映画やコミックなど、一部メディアが「ダークヒーロー」を日本でも流行らせよう/定着させようと頑張っているようですが・・・、どうなんでしょうねえ。
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☆NHK大河ドラマ『平清盛』より
☝・・・歴史人物の人気バロメーターとして有効な大河ドラマですが、基本的にダークであるとされる人物が起用されることは少数だ。 ここ10年では『平清盛』がそうでしたが、やっぱり人気はいまひとつでしたね。
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☆NHK大河ドラマ『軍師 官兵衛』より
☝・・・『軍師 官兵衛』という大河ドラマもありましたね。
本来、黒田官兵衛とは、どちらかといえば腹黒の人物であるというイメージが強いと思いますが・・・けれども、NHKはこのドラマを制作するにあたって、徹底して、黒田官兵衛を心がキレイな智将として描いていましたね。 (晩年のあたりになってやっと、少し悪ぶってみせましたが・・・)
・・・わたしが思うに、これは「闇を光に転換するという改ざん」であって、秀吉にすべての負の側面を押し付け過ぎだと思う。
とはいえ、そんな小細工をしたのも「日本の大衆はダークヒーローをあまり好まない」という背景があるからで、そのあたりに情状酌量の余地はあるだろう。 ドラマはエンターテイメントであって、まじめな歴史研究とは存在意義が異なりますから・・・。
「判官贔屓」という言葉が象徴しているように、やはり日本ではダーティーとされる人物、あるいはアウトローやマフィアといった反社会的集団に属する人たちを嫌う傾向にあると言えるだろう。
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日本の大衆は基本的にダークヒーローを好まない。 このことは揺るぎないこととして、その一方で「〝吉川英二&山岡荘八史観”をルーツにした大河ドラマ観」に飽きてきた、といった人も多いのではないだろうか。
そこに、巷で見かけるようになった「ダークヒーロー」という言葉がある。
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☆『信長の野望』シリーズより、織田信長
☝・・・最近、「実は優しかった」と言われることもある信長も、わたしは断然暗黒面が際立った正真正銘のダークヒーローだったと思うし、
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☆『信長の野望』シリーズより、徳川家康
☝・・・勤勉・実直・忍耐という3ワードが似合う家康も、その生涯の折々において、暗黒面に魅入られた行動をとっている。 そのなかでも最もダークなのが 「妻殺し」 築山殿/瀬奈姫暗殺の一件だ。 どんな言い訳があるにせよ、戦国大名による妻殺しは、家康以外に例がないと言われている・・・。
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☆『信長の野望』シリーズより、羽柴秀吉
☝・・・個人的に意外だったのが、秀吉である。 秀吉もさぞダークだったろう・・・と決めつけたうえで考えてみたものの、秀吉はそれほどダークではなさそうだ。
(戦場で非情な行動をとるのはやむを得ないとして)、彼が大勢の人間を殺すようになったのは天下の権を握ってからであり、統治上の必要性からあえて手を汚したという解釈が十分に成り立つからだ。 つまり、彼のジェノサイドは「あえてそうした」のであって、彼のもともとの属性は暗黒ではないということになる。
秀吉の明るさは天性のものであることと、それに寧々という名物女房の存在が大きいだろう。
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なお、幕末の人物についてもいくつかダークなところを指摘しようと思ったけれども、いろいろな観点からそれは自粛しようかな。 孝明天皇暗殺説や明治天皇すり替え説などといった、いわゆるオカルト説となってしまいそうなので・・・。
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「闇金ウシジマくん完結」を皮切りに、駄弁りを展開してきましたが、長くなってきたのでこのあたりでお開きにしようかな。
「ダークヒーロー史観」というのも、案外面白いかもしれませんね。 とはいえ、アメコミ由来であるダークヒーロー像・・・、要は流行りものに乗っかるということで、それは野暮なことだとも言えるだろう。
ただ、歴史上の人物を、品行方正な人物としてのみ視ることを、わたしたちは飽き始めている。 これもまた、一つの事実だ。
そのことに言及して、今回はお開きとしますか。
(`・ω・´)ノシ
(つづく)
※この文章はブログ主の見解です。
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